☆風間球打投手(メルボルン/福岡ソフトバンク)インタビュー☆ ケガで失った今季。ここで少しでも来季につながるものを得て帰りたい

ⒸSMP Images/ABL Media

2021年夏の甲子園に、ノースアジア大学明桜高校のエースとして出場。今季ドラフト1位でソフトバンクに入団した。前途洋々だったはずのルーキーイヤーは、だが故障に泣いた。球団マネジャーに呼ばれ、オーストラリア行きを打診されたのは、そんなシーズンの終わりごろだった。(取材は12月2日)

 

想像通りの“海外らしい”環境

――ABL派遣を球団から告げられたとき、まずどう思いましたか?

自分はケガ明けで、(日本での)シーズン中はほとんど投げるチャンスがなかったし、海外に行ってみたかったので、すぐ「はい、行きます」と答えました。

――オーストラリアではどんな生活になるか、誰かから情報はもらってきたのでしょうか。

チームが用意してくれたパンフレットに目を通してきたくらいです。ほぼぶっつけ本番で、こちらに来てしまいました(笑)。

――何かビックリしたことはなかったですか?

いえ、特に。まあ想像通りというか、本当に海外らしい環境ですし、人もやはり想像通り、フレンドリーですごく親しみやすい感じです。

――気候が意外と寒いとは思いませんでしたか?

そこは確かに、もっと気温が温かくて夏みたいな感じかなと思ってきました。でも、来たときよりはだいぶ暖かくなってきたと思います。

――海外は初めて?

初めてです。だからなおさら、来たかったんです。今回機会をいただいて、「やったー!」と思いました。

 

ABLのバッターはストレートに強いけれど……

――外国人キャッチャーに投げるのも初めてだと思いますが、どうですか?

体が大きいので、的がどっしりしている感じです。

――ABLのバッターの印象は?

やはり、ストレートには強いですね。変化球に関しては、日本人の選手は外のボールも逆らわずうまく流しますが、外国人選手は引っ張りが強いというか、正直外はあまり強くない。こちらのペースに持っていけさえすれば、振りが大きいぶん、日本人選手に比べて結構楽に打ち取れると思います。あと、バントが少ないです。

――確かに。実際試合で投げて、バッターの特徴が分かってきたことで、マウンドを重ねるごとにピッチングもだんだん良くなってきた感じでしょうか。

2戦目(アデレード戦)は自分でも調子が上がり始めて、ストレートも強くなってきていましたし、変化球もコントロールはまだまだですが、キレだいぶよくなってきたので、それで三振も多く取れた(3回2/3を投げ奪三振8)と思います。

――印象に残っているバッターはいますか?

初戦のパース戦で、2回に2ランホームランを打たれたドミニカ人選手(ジュニア・カミネロ内野手)ですね。結構貫禄があったんですけど、その選手が自分と同い年(19歳)だと聞いて……。

――パースの三番打者。最初がセンター前にタイムリーヒット、2打席目にレフトに2ランを打たれましたね。

抜けたスライダーをレフトに運ばれたんですよ。日本人で同い年だったらまだ体も小さく出来上がっていないと思うんですが、海外の選手は同じ年でも年齢を感じさせないようなスイングやパワーがあるなあと感じました。

――あとから同い年だと聞いたんですか?

はい、打たれてから同い年だった、と。先に聞いていたら貫禄なんか感じず、もうちょっと抑えにいけたんじゃないかと思うんですが、聞くのを忘れていました(笑)。

――日本のバッターとは違った特徴のあるバッターを相手にして、ここで何を一番学んで帰ろうと思っていますか?

ストレートがどれだけ通用するか。アデレード戦であれだけ三振を取れたのも、相手がストレートと分かっていてもファウルとか空振りが取れていたためで、それを何試合も続けられるように。日本に帰っても、同じような真っ直ぐが投げられるようにしたいし、毎試合安定したピッチングをできるようにしたいです。

 

元メジャーリーガーの監督からのアドバイス

――こちらの監督、コーチには何かアドバイスをもらいましたか?
ブルペンでピッチングをしていたとき、(ピーター・モイラン)監督にスライダーの握りを教わりましたし、腕の振りを特に注意するよう言われました。変化球もストレートと同じ腕の振りで投げられるようにしないと、バッターのレベルが上がるにつれ、そういった癖でボールを見極められてしまう。元メジャーリーガー(アトランタほか)で、そんな上の舞台やっている方に指摘されたので、まだまだ変化球も磨いて精度を上げていきたいと思います。

――チームメイトとは、何か絡みがありますか?
フレンドリーに、結構いじられる感じです(笑)。

――一番年下ですもんね。
そうですね。でも年齢差は感じないんですよ。日本だったら、一番年下の自分からふざけにいくなんてできないじゃないですか。そういう雰囲気は、日本と違うなあと思いました。自分にはなんか、合っている気がします(笑)。

――残り試合では、何をしっかりやり遂げて帰りたいですか?
ストレートや変化球といった部分はもちろんですが、まずはケガなく残り試合に投げることが、今の自分の目標ではあります。今年1年間、ケガでプレーできなかった分チャンスをいただいたわけですから、それに応えられるように。来年につながるものを得て帰れたらと思っています。

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