平田真吾(キャンベラ)投手インタビュー「早いスタートで春先から調子を上げ、横浜Vのために活躍したい」

PHOTO – Brett Fewson | SMPIMAGES.COM / ABL. Action from the 2019/20 Australian Baseball League (ABL) Round 5. Clash between the Canberra Cavalry and Brisbane Bandits at MIT Ballpark in Canberra, ACT. This image is for Editorial Use Only. Any further use or individual sale of the image must be cleared by application to the Manger Sports Media Publishing (SMP Images)

横浜DeNAベイスターズに欠かせない、右の中継ぎ投手。ここ2年、数字が下がり続けるもどかしさの中で、一つの光明をABLに見い出した。そこから逆算で決まった、渡豪時期。今季の平田投手は春に注目!だ。

 

――なぜ今回の派遣に手を挙げたのですか?

「いつも春先、全く調子が上がってこないことが多いので、“1年中投げておきたいな”と思ったんです。でも日本にいたら、オフは試合で投げられない。一番はそこですね。試合の中で、いろいろ試してみたいこともありました。オーストラリアは試合が週末だけなので、間でしっかり練習もできます。そこがいいなと思って、今回手を挙げさせてもらいました」

――ウインターリーグといえば、横浜DeNAではオーストラリア以外にも派遣していますが……。

「オーストラリア以外のリーグだと、ずっと試合がありますよね。中継ぎで行くとなったら、やはり僕は疲労が溜まると思うんです。そこから万が一にもケガにつながってはいけないので、しっかり練習をしながら、というのが一番いいかなと思いました」

――渡豪前、生活や練習の環境に関して、何か心配はありましたか?

「言葉と食生活ぐらいでしたね。こちらに来る前、球団のブライアン先生に英会話の個人レッスンを受けてきたんですよ。ところが、みんな思った以上に話すスピードが速くて……初めは全く聞き取れませんでした(笑)」

――慣れさえすれば、平田投手は大学受験もしているし、単語力は問題ないのでは?

「受験のとき、小論の勉強はかなりしたんですが……(笑)。確かに高校時代は、英語の授業で毎週単語テストみたいなものがありましたね。3年間で1冊分、やったはずなんですけど……全然覚えていないです(苦笑)」

――話を野球に戻すと、冒頭でおっしゃった「試したいこと」とはどんなことでしょう。

「今まで投げてきた中で、ツーシームなどの変化球がしっかり変化するときと、あまり変化しないときがあったんです。そこを安定してしっかり投げられるようにしたいと思っています」

――こちらの公式球の違いは気になりますか?

「日本のものより少し小さい気がしますね。縫い目は結構しっかりしている感じがします。あと、ここはとても乾燥しているので、表面がサラサラするような感覚もありますね」

――そこは工夫しながら、対応しているのでしょうか。

「慣れていくしかないですね。日本では張らない前腕部分が、初めは張っていたんですよ。滑るから、力が入ってしまったんでしょうね」

――ABLの野球自体には、どんな印象をもっていますか?

「キャンベラは、チームの雰囲気がすごくいいですね。野球自体は、とにかくパワーがすごい。パワーとか身体能力とか、日本とは全く違います」

――上体だけで飛ばしてしまうような……。

「そう。あとはみんな、肩も強いですよ」

――オーストラリアの文化の違いとか、人の違いとか、感じるところはありますか?

「そこまで違いは感じていませんが、日本より全体的に緩いというか、のんびりした感じはありますね。上下関係もないし、みんなフレンドリー。おかげで僕も、気が楽です」

――派遣期間を、第4ラウンド(19年12月12日~15日)からシーズン終了までとしましたね。どうしてこの期間を選んだのでしょう?

「体を休める時間を入れたかったんです。もし第1ラウンドから参加するとなると、1月中旬で終わりにして、それから体を休めることになる。すると、また結構キャンプまで時間が空いてしまいます。それなら後ろをギリギリまでいることにして、その前に体を休めておこう、と。11月の1カ月は実戦から離れて、回復と体作りをメインにやり、12月から試合、というイメージで決めました」

――クリスマスもお正月もパパ不在で、ご家族は寂しがっていませんでしたか?

「今はビデオ通話もできるんで、そこまでじゃないみたいですよ。まあ、大変だろうとは思いますが、別にダメとも言われなかったし。“行こうかな”って言ったら、“あ、行ってくれば”という感じでした(笑)。まあ、お土産はちゃんと買って帰ります」

――平田投手自身が元気で帰るのが、一番のお土産ですね。

「そして2020年、チームの優勝のために活躍することですね。何よりそれを一番の目的に、ここへ来たわけですから。そのうえで、こちらの文化とか語学とか、何か感じたり身につけたりして帰れればいいと思います」

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