佐野皓大(メルボルン)選手インタビュー「ここでの課題として持ってきた、右投手への対応をつかんで帰りたい」

Kodai Sano – PHOTO: Ryan Schembri / SMP IMAGES | Action from the Australian Baseball League 2019/20 Round 4 clash between Adelaide Giants vs Melbourne Aces played at Adelaide Shores Baseball Complex, West Beach, South Australia

当インタビュー後には、ABL第1号(12月20日、ジーロング戦)も飛び出し、帰国を前に登り調子の佐野選手。オーストラリアに持ってきた課題と、“チーム・オリックス”での役割を聞いた。

――ABL派遣が決まったときの、最初の感想から教えてください。
「日にちがちょっと長いな、と……(笑)」

――新婚さんですもんね。その辺でちょっと……?
「いえいえ、でも行くからには2カ月、しっかりやるべきことをやって帰ろうとは思いました」

――日本での課題をこちらに持ってきましたか、それとも何かまた別の目標を持ってきましたか?
「僕はスイッチヒッターをやめて、こちらに来ました。だから一時やっていなかった、右投手への対応ですね。こうしてしっかり(練習する)期間をいただけたので、何かつかんで帰りたいと思っています」

――今のところは、どうでしょう。
「手応えはまだないですが、その中でもヒットは出てきましたし。全く打てないと思っていたところが、右ピッチャーの変化球に対しても思ったより振らされることがないので、そこの見極めはだいぶできたのかなと思います。あとは、そこのボールの捉え方だけ、しっかりやっていきたいですね」

――この時期に実戦を積めるのは、ご自分としてはどんな感覚ですか。
「例年なら、トレーニングばかりしている時期。そこでスイッチをやめて、いきなりキャンプから右ピッチャーを打つよりは、やはりこうして実戦の場を与えてもらって、感覚を少し残したまま日本でまた実戦に入っていけるのは、自分としてはプラスかなとは思っています」

――佐野選手は、知らない人に対して、最初からガッといけるタイプですか?
「いや、行けないですね。結構控えめというか、最初は人見知りするタイプです」

――それがこうして外国に来て、試合が終わればみんなでビールを飲みながら、勝ったときにはワーッとやる。どうですか?
「なかなか慣れはしないですけど、まあでも日本とは違った感じで味わっています(笑)」

――野球でも野球以外の面でも、こちらに来て何か「オーストラリアの人たちってこうだよね」と気付いたとか、ご自身が何か変わったんじゃないかと思うところはありますか?
「こっちの野球は、ほとんどアップをしないですよね。そこはすごいなと思いました。最初はちょっと戸惑いましたが、今はもう普通にアップなしで、バッティングにも入れるようになりました」

――全体練習自体も、普段から少ないですよね。そこで足りない部分は、各自補っているわけですか?
「はい、ホテルの近くのジムを借りて練習しています。ジムに寄ってから球場に行くこともあるし、普段の練習が終わってから行くこともあります。今回はトレーナーさんも来てくれているので、一緒にトレーニングをしてもらっていますね」

――今、そういったトレーニングの中で意識しているところはどこですか?
「自分は線が細いので、そこはこっちでしっかりウェイトをしていこうと決めています。それがすぐバッティングに表れているのかどうかは分からないですが、根気を持ってやっていこうと思います」

――そうした努力はなかなかすぐ結果に表れないから、根気が必要ですよね。
「今こうしてしっかり続けられていることは、自分としてはプラスだと思います。家にいるよりこちらにいるほうが、やはり多くできていると思いますし」

――今回は炊事係を結構担当してらっしゃると伺いましたが。
「そうですね。誰もできないので(笑)」

――佐野選手は、お料理ができるんですね。
「はい、料理は好きだったので、そこは別に苦もなくやっていますね。メニューも自分が食べたいものか、作りたいものを作っています。そこは文句は言わせませんよ(笑)」

――オーストラリアでこの時期に実戦をやって、日本に帰ってからキャンプまではどうしますか?
「自分は足の選手なので、そこはずっと去年もランニング、走り方をずっと練習してきたんで、1月はそこをメインにやりながら、という感じです」

――ABLのバッテリーはランナーの警戒の仕方など、いかがですか。
「やっぱり日本と違ってクイックも遅いし、けん制もあまり早いものはないですね。日本に比べると、ランナーからしたら楽といえば楽。代走専門の選手もいないし、けん制とかそこまでこだわっていないんだと思います。逆に日本はそういった走塁面で点を取ることが多いので、警戒されます」

――来季はどういうことを目標にやっていきますか。
「レギュラーを取るのが一番だと思いますが、まずは1年間、どんな立場でもずっと一軍にいられるようにしなくてはいけないと思います。そこでチャンスがあれば、ドンドン行きたいですね」

――西村(徳文)監督も足のある選手だったから、期待していると思いますよ。
「今季こうやって一軍にいられたのは、足を使った野球をしてくれた監督のおかげ。そこに自分も足を生かして食い込めましたから。なんとか監督の期待に応えたいです」

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