中村勝投手、オーストラリア生活まとめインタビュー!!【前編】

Photo: ⓒHiroki Chiba

元北海道日本ハムファイターズ・中村勝投手が約1年にわたるオーストラリア生活を終え、このほど帰国しました。ブリスベン・バンディッツでのレギュラーシーズン終了後、帰国までのこと、そしてABLやオーストラリアでの生活を振り返っての話を伺いました。今回は、その前編です。

 

日豪の違いを感じながら、すべてが財産になりました

 

――2月6日、キャンベラでの最終戦が終わって、バンディッツで何かお疲れ様会のようなものはありましたか?

「最後の試合がデーゲームだったので、当日中にブリスベンに戻りました。その日は特にお疲れ様会みたいなものはなかったんですが、翌日、朝9時半から来たい人だけレストラン・バーに集まって、スーパーボウルを見ながらワイワイしたんです。結構な人数が集まったんですよ」

――朝からビール!?

「いえ、さすがに午前中は飲んでいませんでしたけど……(笑)。お昼過ぎにはみんな何かしら飲み始めていましたね。僕は昼過ぎには家に帰りました」

――ABLのシーズン全体を振り返って、いかがでしたか?

「改めて真剣勝負ができたのはとても楽しかったですし、こういう緊張感はなかなか味わえないので、とてもいい経験になったと思います。オーストラリアで生活していく中で、また野球をしていく中で、日本とのギャップを感じることが多かったけれども、そのすべてが自分の財産になったかなと思います」

――どこに一番ギャップを感じましたか?

「野球の面でいえば、もしかすると今季がイレギュラーなシーズンで特別だったのかもしれませんが、先発か中継ぎか自分の役割が前もって分からず、クールごとに決まる感じだったので……。他のチームがどうだったかも分かりませんけどね。僕はいろいろ準備していきたいタイプだったけど、ABLでやって、よくも悪くも“なんでもいいや”というか(笑)。調整に対してそこまでガチガチに考えなくてもいいんだなと思えたのは、それはそれでいい経験になりました。もちろん、早めに分かるに越したことはないんですが、そうでなくても試合で投げられるものなんだな、と思いましたね」

 

チームメイトと日本のアニメの話で盛り上がったことも!

 

右はバンディッツの正捕手・ケール選手 Photo: ⓒHiroki Chiba

――ABLのバッター全体の印象はいかがでしたか?

「そこまで三振を怖がっていないですよね。だから僕自身、奪三振数は31で、リーグでも上位のほう(編集部注:5位でした)に入っていました。バッターからしたら、おそらく三振も凡打も、“同じアウトの一つ”という感覚なのだと思います。例えば1打席目で簡単に三振したとしても、2打席目か3打席目に1本ヒットを打てば3割バッターで、好打者と言われる。3打数2三振でも、自分の強いスイングができていればOKという感じで、日本ほど三振を意識していないと思います。日本人のほうが、バットに当てること自体、うまいですしね」

――他のピッチャー、あるいはキャッチャーを含めたバッテリーには何か特徴を感じましたか?

「ABLのバッターには高めのストレートが比較的有効で、キャッチャーがそれを要求してくることが日本より多かったと思います。ピッチャーに関しては、やはりストレートの速さ、強さのある選手。特にアメリカから“インポート”として来ているピッチャーは皆、球も速いし、ストレートに力がありました」

――特に仲良くなったチームメイトはいましたか?

「キャッチャーのニック・ケールとはやはりよく話をしましたし、“日本語教えて”と言われました。アメリカから来た選手たちとも仲良くなりました。面白かったのは、ミケーレ・ヴァサロッティ(投手)。彼はベネズエラ出身で英語が第二外国語という共通点があって、お互い第二外国語の難しさを理解できるので、よく話しかけてきてくれました。日本のアニメが好きみたいで、『NARUTO』なんかの話で盛り上がりました(笑)」

(後編に続きます)

 

 

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