☆大貫晋一投手☆(横浜DeNAベイスターズ)インタビュー【後編】
2年、3年と安定した活躍をしてこそ本物
ABLを経て最も成長を遂げた“2019/20AMVP”大貫晋一投手(横浜DeNA)にお話を伺う後編。ABLの懐かしい思い出と、今シーズンについて聞きました。
一喜一憂しなくなった
――野球選手としてではなく大貫さんという一人の人間として、2カ月超の海外生活を経て変わったことはありますか?
「いろんな友達が増えたのも一つ、また異文化体験ができたのも大きな財産になりましたね。中でも自分が変わったな、成長したなと思えるのは、一つのことに一喜一憂しなくなったこと。ABLの選手たちが失敗してもあまりクヨクヨせず、純粋に野球を楽しんでいる姿がとても印象的だったんです。(ホームステイ先の)ホストファミリーもネガティブなことはなるべく言わず、ポジティブなことを言っていました。そんな様子を見ていて、自分も極力感情を大きく揺らさないようにしようと思ったんです」
――ABLの仲間たちとのエピソードで、今も懐かしく、面白く思い出されるのは?
「何もかも面白かったですね(笑)。ニュージーランド(オークランド)ではグラウンドに穴が開いていて、試合が止まったし。バッターが(打ち損じて)怒って自分のバットをへし折るとか。今までメジャーリーグの中継でしか見たことがなかったので、“すごいなあ”と思いました」
――さて、このオフはどんな調整をしていますか?
「体を大きくして、力強い球を投げられるようにと思って、トレーニングをしています。球の回転の軸など細かいところを見直して、回転量を増やすことを意識して。できればアベレージで、もっと球速も上げられればいいなと思っています」
勝ち星以上にピッチングの内容を
――今季はどんなところをファンの皆さんに見てほしいですか?
「1年活躍しただけではダメ。2年、3年と続けてこそ、本物だと思います。だから今季は勝負の年と思って1球1球、覚悟を持って投げていきますので、その姿を見ていただければ嬉しいです」
――数字としては、昨季の10勝が叩き台になりますか?
「勝ち星は、味方の野手やリリーフの方々の助けがないと挙げられないものなので。もちろん2ケタ勝ちたい気持ちはありますが、それよりピッチングの内容ですね。先発したら、できるだけ長いイニングをしっかり投げられるように。そして、それを安定して繰り返し、1年を通してローテーションを守っていきたいです」