オークランド・トゥアタラの日本人選手たち
千葉ロッテマリーンズから酒居知史、平沢大河、種市篤暉の3選手、香川オリーブガイナーズから原田宥希選手が参加するABL唯一のニュージーランドチーム、オークランド・トゥアタラ。ここで彼らと共に白球を追う、現地在住の日本人選手たちがいる。
奥本涼太選手は2011年、大学留学のため、ニュージーランドへやってきた。高校まで野球をしていたが、当初は野球を続けるつもりはなかったという。大学卒業後はニュージーランドの企業に就職。その傍ら、地元のクラブチーム『ノースショア・ベースボールクラブ』でプレーするようになった。そこでのピッチングが認められ、トゥアタラから「ホームシリーズの3週間のみ契約」というオファーを受けた。ABLでは奥本選手のように野球選手と一般職のダブルワークをしている選手がどのチームにもおり、平日の練習には参加せず、各自試合に向けて調整している。
奥本選手はノースショア・ベースボールクラブで、コーチも兼任。その教え子にあたるのが、Yuuki Takahashi選手だ。日本人の両親を持ち、ニュージーランドで生まれた。小さいころは、バスケットボール、サッカー、タッチラグビーなどに興じていたというTakahashi選手。7歳のころ、友人に誘われて始めた野球に魅せられた。今は、ピッチャーと外野手の‟二刀流“。19年1月にはアメリカの大学に留学し、心理学を学びながら野球を続けていく。アメリカの大学を経て、目指すはメジャー・リーガー!
Takahashi選手のように、ニュージーランド(オーストラリアのチームなら、オーストラリア)生まれの選手を、ABLでは『ローカル』と呼ぶ。一方、千葉ロッテや香川OGの選手たちのように海外から派遣されてくる選手は、『インポート』と呼ばれている。金子隆浩選手は現在ニュージーランド在住ながら、日本国籍を持つため『インポート』のキャッチャーとして試合に出場する。肩の故障で一時は野球を辞め、ニュージーランドへワーキングホリデーでやってきた。半年のつもりが、「この国を好きになって」滞在1年に及んだという金子選手。トライアウトを受け、トゥアタラの一員になった。キャンベラに所属する横浜DeNA・今永昇太選手との対戦では、2打席2三振に終わったが、ケガ前の「より上を目指したい」気持ちがよみがえった。ビザは、12月末まで。日本に帰国し、もう一度プロ球界への夢を追う。
左から奥本選手、Takahashi選手
千葉ロッテ・平沢大河選手とティーバッティングをする金子選手